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敬倫塾からの提言

中間層からの脱出  2009年2月15日号


 これは何を表すグラフでしょう。かつて、通知表の評価は相対評価でした。5〜1の評価が、全体のそれぞれ、10%-20%-40%-20%-10%でした。相対評価では、クラスに成績がいい子が多いと、いい評価がとりにくいという欠点があります。そのため、今は、到達基準を定め、それにどの程度達しているかによって評価する「絶対評価」という評価法が採用されています。それにより、「3」という評価のつけられる生徒は、以前より増加したように思います。
 ところで、皆さん方は、学習塾の「二極化」とか「中間層離れ」という言葉を聞いたことがありますか。この2つについて考えてみましょう。
〔1〕学習塾の二極化
 この「二極化」は2つあると思います。その1つは「一斉授業指導」と「個別指導」です。どちらにも長所・短所があります。
(1)一斉指導  
【長所】・先生の上手な解き方を知ることができる。      
・自分の学力以上の者と競い合うことができる。      
・規律の遵守や協調性を養う姿勢がつく。  
【短所】 ・クラスのレベルについていけない場合、効果が上がらない。      
・自分のペースを守りたい人にとっては、苦痛となることがある。
(2)個別指導  
【長所】 ・自分に合った解法を学ぶことができる。      
・自分のペースで学習できる。  
【短所】 ・学習分野が自分のやりたいところだけになってしまう可能性がある。      
・マイペースで学習できるため、一定時間内に解くという緊張感が得られない。      
・受講料が割高となるため、多くの教科の指導が受けられない。      
・継続して同じ先生に教えてもらえない場合がある。  
 私は、お子さんの成績を伸ばすには、「一斉指導」の方がいいと思うのですが、塾の指導が難しすぎたり、簡単すぎるときは「個別指導」の方がいいと思います。
〔2〕学習塾の中間層離れ  
 大学までの進学を考えたり、公教育に失望される保護者の方の割合は年々増加しています。そういった方々は、早期からお子さん達の為に教育投資をされます。また、逆に、一斉指導の塾では埋もれてしまいそうなお子さんや、部活や習い事等のために時間の調整が難しいお子さん達の多くが個別指導を利用しています。当地域では、成績が超優秀であるがために個別指導を受けている方の割合は少ない様です。また、成績は悪いけれど、部活や習い事だけ続けさせたいという保護者の方の割合も増え続けています。問題は、「評価3」のお子さん達の多くが、向上心や危機感をもっていないことです。現在、「評価3」の中間層を上手に指導する塾はほとんどありません。この層に属する方達の中には、ちょっとしたきっかけで大きく変わる人もいます。2009年3月から、敬倫塾では、こういった人達を応援しようと考えています。
敬倫塾塾長 加藤敬志
2009年2月15日号