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敬倫塾からの提言

ますます広がる数学の実力差  2009年5月15日号

 愛知県の公立高校入試では、数学の難易度が大きく変わりました。年を追うごとに、難しくなってきています。教科書を理解している程度では、高得点は望めません。いまや、難関公立高校の合否は、数学の実力によって決まるといっても過言ではありません。通知表の評価が良くても、数学の実力がない人は一時も早く、この問題を解決しなくてはなりません。敬倫塾では、これから特に、算数・数学に重点を置いた指導を強化していく予定です。次に掲げるのは、『学悠出版』の記事の引用です。今、日本は、数学(算数)に強い子供達を育てようという方向に向かっています。どうか、この記事を参考にして下さい。

  『学悠だより 〜2009年3月号〜』
 さて、本年度より前倒しを伴う移行措置が スタートします。昨年末の学悠だよりでも少し触れましたが、とりわけ21年度の小学4年生・算数の学習量の多さは際立っています。現行の1.4倍近くになりますし、4月に生徒に配布される予定の移行措置対応の補助資料は50ページぐらいになるのではないかと言われています。小5内容から「小数の掛け算・割り算」「概数」「垂直と平行」「四角形(台形・ひし形・平行四辺形)」「計算のきまり」、小6内容から「直方体と立方体」「辺や面の垂直と平行」が移動追加となり、新規内容として「数のはんいの表し方」「a と ha」を学習することになります。このボリュームに対して移行期間中、小学校では週1コマしか授業時間が増えませんので、学校の授業は猛スピードで進むしかなく生徒は本当についていけるのか、かなりの困難が予想されます。また、塾の指導においても今まで以上に十分な補習、練習をさせることが必要不可欠となってきますし、家庭学習の習慣付けが緊急課題となってくるのではないかと思われます。
 そして、この後、さらに大きく立ちはだかるのが小5〜小6の壁と言われているものです。低学年から中学年まで横一線のようにみえた学力に明らかにその差がつくのが小5あたりからだといいます。どの教科においても小5が学力の分岐点だということですが、特に算数には大きな壁があるようです。小5現行内容の代表的な単元といえば、「小数・分数の計算」「割合と百分率」「面積(三角形・平行四辺形・円)」ですが、新学習指導要領では、小6内容から「体積の単位」「立方体及び直方体の体積の求め方」「単位量当たりの大きさ」「角柱や円柱」が移動追加となり、新規内容として「小数の乗除(1/100の位)」「ひし形・台形の面積」「多角形や正多角形」を学習します。
 小5内容で特に生徒が苦手としているのが3学期で習う「割合」です。算数の中でも、計算力だけでなく、文章理解力が必要とされる分野で中学校の数学に密接に関係してきます。実際、この「割合」と小6で習う「速さ」などの単元は、中学生になっても苦手としている生徒が多いと塾の先生方からもよく耳にします。特に算数は、前に習ったことをもとに新しいことを学んでいくので、5、6年の基礎事項がしっかり理解されていないと後々まで引きずってしまいます。
 最後に、5、6年生の算数内容でつまずく生徒の主な原因を分析すると、低学年から育まれてきた語彙力や考える力が欠けていることもあげられます。また、3、4年生で計算ドリルなどの問題をどれだけ練習したかで差がついてしまい、4年生後半からの小数や分数の理解があいまいだと、その後の「割合」「速さ」などでつまずいてしまうわけです。
(「プレジデントFamily」,「AERA with Kids」参照)

敬倫塾塾長 加藤敬志
2009年5月15日号