HOMEはじめに塾長提言 > 2009年6月15日号

敬倫塾からの提言

偏差値で語れない本当の大学の魅力とは 〜東海の大学力(その1)〜 2009年6月15日号

 3回にわたって、「朝日新聞」に掲載された特集記事を紹介します。この特集は、平成21年4月23日、24日の2日間に掲載されたものの抜粋です。

 「大学が変わる一方でまた、大学の評価も少しずつ変化しています。大学は教育機関であると同時に研究機関であり、また社会貢献の役割を有しており、様々な面を持っています。従って大学を評価する際には、偏差値だけではなく、大学の強みやカラーを含む多様な観点から見るべきであり、世間の見方も徐々にその方向にシフトしています。「大学ランキング」の考え方はまさしくそれで、1994年、当時まだ偏差値のみが大学を測る基準だった中に、新たな基準を打ち出すべく、創刊されました。
 全国の大学を連続的に、多角度から見ていて言えるのは、評価は不変ものではないということです。努力している大学は、時間はかかっても必ず評価は上がり、逆もしかりです。大学の真の姿を見極めるには、多様な観点と、この評価の推移も大切です。」

 この特集の意図は、上述に集約されていると思います。私は、新聞記事の中で、これは初めて知ったというものを皆さんに報告しようと思います。

[1]愛知県立大学
 2009年、愛知県立看護大学との統合で、教育・福祉・看護・文化・情報・外国語を学べる総合大学として生まれ変わった。国家試験合格では、社会福祉士48人、58位(合格率57.8%)。東海地区では6位、公立大学では7位となっている。看護師82人、36位は県内では3位となっており、地域の福祉や看護分野を牽引してきた。

[2]名古屋大学
 1999年〜2008年の国内特許登録件数は138件で第3位、同年の米国特許登録件数は50件で第2位。国際的にも際立つ研究力とそれを生む環境がある。全学年の約半数、理・農学部では約7割、工学部では約9割が大学院に進学している。また、産学官連携を積極的に推進している。

[3]三重大学
 産学連携や大学発ベンチャーの創出を積極的に推進しており、大学発ベンチャー(累計)16件、30位(東海地区2位)、外部資金獲得31位と数字に表れている。医師国家試験合格率96.2%、9位、看護師試験合格者82人、36位は国立大学の中で上位。

[4]愛知工業大学
 2000年に経営情報科学部を開設し、2009年に学部を再編成し、工学部、経営学部、情報科学部から成る工科系総合大学となった。ここ3年間の就職率は97%前後で、全国でもトップレベルである。2008年度では学生1人に対し、約7社から求人が寄せられた。

[5]桜花学園大学
 小学校教諭1種免許状・幼稚園教諭1種免許状・保育士資格が同時に取得できる。また、大学院文化研究科に進学することで幼稚園教諭専修免許状が取得できる。2008年3月、教育・保育界への就職希望者83名全員が保育職に就職。その内の74.7%が公務員保育職へ就職。

[6]椙山女学園大学
 抜群の就職率を誇る。2003年〜2006年度まで4年連続第1位。2007年度は第2位、2008年度は97.4%が就職を決定。生活科学部の管理栄養士国家試験8位。2010年には看護学部看護学科を開設する。


敬倫塾塾長 加藤敬志
2009年6月15日号