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敬倫塾からの提言

久しぶりの中学1年生指導 2010年3月15日号

 私は、久しく本校で中学1・2年生の指導をしておりませんでした。昨年度までの私の指導は、小学4〜6年生の算数、中学3年生の英語、高校1〜3年生の数学でした。本校で、私に代わって高校生に数学を指導できる先生が出てきたため、私は中学1・2年生に英語を教えることができるようになったのです。
 さて、私の出身小学校は千種区にある千種小学校です。6年生の時に上飯田へ引越し、中学は地元の大曽根中学校で学びました。中学3年生当時、私は英語を担当している西岡先生にずい分気に入られ、先生に代わって、中学生ながらクラスの皆に対して授業を行ったことが数回あります。そのため、当時は、自分の英語に対する知識はかなり高いものだと思っていました。また、数学を指導してくれる水野先生にも気に入られ、人に教えるのが上手だと褒められることもたびたびありました。
 ところが、向陽高校に入学してしばらくすると、自分が「井の中の蛙(かわず)」であることをいやという程知らされました。担任の千田先生は英語を指導する若い先生でした。先生はよく私に質問されました。ところが、先生の質問に対しては、満足な答はほとんどできませんでした。そんな時、「どこの田舎の中学校出身だ。」と言われました。中学時代、定期テストはほとんど満点をとり、教科書の訳や問題もスラスラとこなし、私はそれで充分だと思っていました。しかし、千田先生により自分の英語に対する学びの浅さを思い知らされ、私は必死に「英文法精義」という参考書を利用し、勉強することに致しました。また、数学の担当である横井先生は、みなに問題の解答を黒板に書かせるのが常でした。黒板に書かれた解答のほとんどは、教科書や教科書レーダー(教科書の問題の解答をわかり易く解説したもの)を参考にしたものでした。横井先生は、それらを見て、ほとんど消してしまいました。その時発した言葉は、「下手ですね。」というものでした。横井先生は東京大学を卒業された方で、常に、「単純、明瞭な答案」を要求されました。私は、その先生のおかげで、ただ解答すればよいという勉強ではダメだということを知らされました。そのため、チャート等の問題集で積極的に勉強するようになりました。
 私は向陽高校に入学した当初の実力テストの成績順位は500人中180位でした。それが、1月の実力テストでは、なんと10位をとることができました。では、私は必死になって勉強していたのでしょうか。答は「ノー」です。ほとんどの人達が自分のために勉強をしなかったから、私が浮かび上がったに過ぎないのです。私は高校1年生の時、英語科と数学科の2人の先生との出会いを通じ、しっかりとした勉強をする必要性を教えられたのでした。
 今、私は自分が英語を担当する中学生に対し、ただ単に教科書を基本としたテストで良い点がとれるだけでなく、高校進学後も確実に役立つ知識を教えようと思っています。私は、中学時代も高校時代も多くの良き師に恵まれました。そのために、自分の可能性を大きくすることができました。英語という教科を本格的に学習するのは中学1年生からです。その英語を誰よりも深く教えることにより、学ぶ楽しさ、自分が一生懸命になれば、こんなにもいっぱいの知識を増やせるのだと思う子を一人でも多く作りたいと願っています。
敬倫塾塾長 加藤敬志
2010年3月15日号