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敬倫塾からの提言

脱ゆとり教育 2010年4月15日号

小学教科書 ページ25%増
文科省検定 算数・理科30%超

 文部科学省は3月30日、2011年度から小学校で使われる教科書全9教科の検定結果を発表した。来春に本格実施される新しい学習指導要領が「脱ゆとり」へ大きく踏み出したのに合わせた内容で、2004年の検定で合格した教科書に比べ、ページ数は各社平均で算数33%、理科37%、全教科合計でも25%増加した。
 「ゆとり教育」全盛期の2001年に検定で合格した教科書に比べると、算数・理科はともに67%、国・社・算・理の4教科は50%、全教科では43%増えた計算になる。こうした内容を学校現場でこなし、子ども達に理解させられるかが今後の大きな課題になる。
( 後 略 )
平成22年3月31日 朝日新聞朝刊第1面

 この日の朝日新聞の第36面には、大きな文字で次のような言葉で書かれています。
「分厚い教科書 丁寧に教えたいが・・・」
現場「時間が足りない」
同様な記事は、この日の中日新聞にも掲載されています。

 「ゆとり教育」が見直され、教科書はかつてのようなボリュームになりそうです。しかし、指導時間は、減らされたままです。学校週5日制を続ける限り、指導時間不足の問題は解決できないのではないでしょうか。週5日制はどのようにして実施されて来たのでしょうか。

1992年(平成4年)9月 月1回土曜休み
1995年(平成7年)4月 月2回土曜休み
2002年(平成14年)4月 毎週土曜休み

 このようにして、毎週土曜日は今では、完全に休みとなりました。
 毎週土曜日を休みにしようと考えた当初は、学習以外の課外活動のためにその日を利用するものでした。しかし、現実は、ほとんど有効に使われていないようです。
 Benesseの教育情報サイトでは、実態調査の結果が掲載されています。また、ここでは、「土曜日の正規授業」についての記事もあります。東京都教育委員会は、月2回まで、条件付きで正規の授業を行うようです。全国の学校では、今、授業時間数が増える新学習指導要領の対応に追われていますので、他の道府県にも影響を与えることは必至と書かれています。
 ところで、東京都教委は土曜日活用についてどの様に説明しているのでしょうか。報道によりますと次のようです。

 「授業時間数の増加により平日の時間割が過密になり、子どもも先生も負担が増大する。一方、5日制が目指していた学校・家庭・地域の連携は、「必ずしも充分ではない」。現状をこのまま放置しておくことはできず、早急に解決しなければならない。」

 まだまだ、名古屋が土曜日授業を実施するのは先になると思います。しかし、現実には、特に算数・理科の分野でよく理解できないまま、先に進まざるを得ないという事態は起きるでしょう。その結果、算数につまずく生徒も増えるのではないかと思います。わからなくなってからではなく、好奇心があるうちに学問を始めると、その成長は著しいものとなります。お子様が苦手になる前に学習の喜びが提供できるよう私達は指導しています。
敬倫塾塾長 加藤敬志
2010年4月15日号