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敬倫塾からの提言

塾に入って成績が伸びる子 2010年5月15日号

 敬倫塾の本校に5Sというクラスがあります。このクラスは私立中学受験を考えている生徒だけで構成されています。女子4人を指導していますが、このうち3人の生徒が敬倫塾を卒塾した方たちのお子さんです。親子2代にわたってのご信頼は本当に有難く思っています。保護者の方達にとって、敬倫塾の指導が役に立ったという思いがあればこそだと思います。その有難い気持ちを大切にし、今後も良い指導が続けられるよう職員一丸となって毎日を過ごしていきたいと思います。

 さて、敬倫塾では入塾していただいた全てのお子さんの成績向上を考えて指導していますが、中には、なかなか成績が向上しなかったお子さんもいます。その割合はだいたい5%位だと思います。かつて、小学校では通知表の評価は5段階の相対評価でした。その頃の敬倫塾の入塾基準は次の通りでした。

(小学生)国・社・算・理がいずれも3以上で、4が少なくとも1つある。また、体育以外に1,2がない。

 この基準に合ったお子さんが入塾されると、90%以上の方の成績が向上できました。しかし、国・社・算・理が全て3の方の成績向上率は約10%で、体育以外に1,2の評価をもらっている生徒の向上率は、更に低いものでした。そのため、1980年以降は、この基準を満たさない方には成績向上率をきちんと説明し、お引き受けできない場合も多々ありました。小学校の評価がこのような時代には、この基準を満たすお子さん達だけを指導していきましたので、指導はとても楽でした。

 ところで、体育以外に1,2をもっているお子さんは、実は技能が劣るという問題があるケースは少なく、宿題をきちんとする、授業中に先生の話を落ち着いて聞く、友達と協調して物事を行うということが苦手というケースが多いようでした。そのため、指導された内容が定着しなかったり、授業中の集中力を欠いたりしました。また、国・社・算・理の全てが3のお子さんは、全てにおいて平均的で、新しく習う英語にも特別な興味をもてない場合が多いようでした。ところが、国・社・算・理のいずれかの教科に4をもっているお子さんは、ほとんど英語で4をとります。すると5教科のうちの2教科に4があることになり、学習意欲が向上します。こうなると、もっと頑張って4や5を増やそうという気持ちになったようです。

 さて、現在、小学校での通知表の評価は◎,○,△の3段階です。個々の教科について、それぞれの観点別に◎,○,△がつけられています。私は、この評価法と昔の評価法との関係を次のように見ています。

◎◎◎◎→4または5 ○○○○→  2
◎◎◎○→  4 ○○△△→2または1
◎○○○→  3 ○△△△→  1
 これらの評価は、国・社・算・理についてだけでなく、体育以外の教科についても、しっかり見て欲しいのです。全部○であったり、△が1つでもあるお子さんは、学習意欲を失ってしまっているか、授業に集中できなくなってしまっているのです。勉強は中学からとか高校からとかいうのでは手遅れになる場合が多いです。中には、勉強しないために学力はついていないが、記憶力や集中力は抜群だというお子さんもいます。お子さんがそういったタイプなら小学校や中学校の成績を気にする必要はありません。しかし、そのケースはごく稀だと思って下さい。

 最後に、塾に入って成績が伸びた子はどんなタイプの子が多かったかを挙げてみます。

@親の勧めでなく、自分で入塾したいと思って入塾した子
A自分の成績についてきちんと把握している子
B宿題・小テストをきちんとできた子
C成績不振に陥る前に入塾した子
D進学したい高校を決めて地道に努力した子
E友達と協調でき、励まし合いながら勉強した子
敬倫塾塾長 加藤敬志
2010年5月15日号