[国語]私立中学受験科が考える「本当の国語力」

その点数は国語力の反映?

現在、特別なこともせずに普通にテストで点数が取れている方もいらっしゃると思います。しかし、それは今の段階だから点数が取れているだけかもしれません。大人と話す機会の多さであったり、少し早めに塾に通っているための慣れであったり、読書好きであったりと、それらのアドバンテージで点数が取れているだけの可能性があります。しかし、それもいずれ無くなります。今点数が取れているからと言って自分勝手な読み方や解き方をしていれば、中学、高校と進むにつれて難易度の高くなる国語の問題に対処できなくなってしまいます。中学に合格することがゴールではありません。その先があり、その先こそ大切なのです。どの教科でもそうですが、受験勉強は中学合格だけを念頭に行ってはいけません。中学進学後、そしてその先にある大学受験までも見据えてやらなければなりません。そのためにはしっかりとした目的をもって国語の学習に取り組む必要があるのです。

私立中学受験科による「戦略的」な国語授業

一般的に国語の勉強は、算数ほどには時間をかけて行っておらず、圧倒的に勉強量が足りていないというお子様を多くお見受けします。また、国語の勉強をやってはいても、「ただ問題を解いて、ただ答え合わせをする」というだけの惰性的な学習に陥っている場合も多いようです。これは家庭学習に限った話ではなく、学習塾における国語の授業でも同じことです。これは国語特有の性質に要因があると考えられます。漢字・語句・文法などの暗記問題は別ですが、国語における読解力を問う問題は、「公式」に当てはめれば解けるというものではありませんし、何かを暗記していれば解けるというものでもありません。そういうつかみどころの無さが、「単なる問題演習と答え合わせ」という惰性的な学習や授業に陥らせてしまうのです。しかも厄介なことに、「国語」は一番身近な「日本語」に関わるものであるため、ある程度は何とかなってしまうところもあるので、(しかしこれは「なんとかなる」だけであって「お子様にとって有効なもの」にはなり得ないのですが…)危機感も感じず、改善や工夫もないまま淡々と学習や授業を進めてしまい、お子様の国語の成績が悪くなれば、その原因を単純に学習量の問題に帰結させてしまい、問題を解く量を増やしたり、補習授業を追加したりして対処しようとしてしまいます。しかし、これが根本的な解決に結びつかないのは火を見るより明らかです。

当塾の私立中学受験科では、単に当該学年のテキストを、模試に合わせたカリキュラムに従って淡々と進めていくだけの、流れ作業的な授業は行っておりません。まずは3・4年生と5・6年生とに分けて考え、国語力を付けさせるためにはそれぞれの時期に何が必要で、そのためには何をすべきかということをしっかりと決めて実践をしています。敬倫塾では国語の成績アップのために、テキストの選定やカリキュラムの消化、授業数の増加などよりも、「ビジョン」と「戦略」が重要だと考え、それに沿った授業を展開しています。

4年生のうちにすべきこと

受験で成功するかどうかは、この時期の「学習に対する姿勢づくり」と「語彙力強化」にかかっていると言っても過言ではありません。

字を丁寧に書く、書き間違えたら消しゴムできれいに消す、宿題をちゃんとやる、忘れ物をしない、課題の提出期限を守る、テスト勉強をする。これらのことは当たり前のことであり、とても大切なことでもありますが、ややもすればこれらの当たり前はおろそかにされがちです。しかし、「学習に対する姿勢づくり」が3・4年生の内にしっかりとできるようにならないと、5年生から本格的に始まる受験勉強において、かなり苦労することになってしまいます。当塾ではこれらの「当たり前」が「当たり前のこと」としてできるように、時には口うるさく指導することもあります。

また、国語で高得点を取るために不可欠になるものが「語彙力」です。語彙が不十分だと、細かい部分での読み取りにずれが生じてしまい、紛らわしい選択肢の問題で判断を誤ったり、論述問題において稚拙な言葉でしか表現できずに得点できなかったりと、あらゆる面で支障が出てしまいます。そのため、3・4年生の内は「設問に対してどう的確に答えるか」ということよりも、まずは「基礎的な語彙を増やす」ということに重点を置いて授業を進めてまいります。この期間に基礎的な語彙をしっかりと身につけることができるかどうかで、5年生から本格的に行う長文読解演習での精度が決まるといっても過言ではありません。

私立中学受験科が指導する「戦略的な読み」

当塾の私立中学受験科では、文章を読む際に目的を持って読み進めることができるようにするため、文章への印つけを段階的に指導して、授業内の演習や宿題において徹底させています。この印つけは、説明文と小説文とでは注目させるポイントが異なるため、やり方を変えています。この印つけの実践によって、論説文では論理構造を、小説文では登場人物の心情の移り変わりを、主観を入れずにとらえさせることができます。この適切な読みが問題文に左右されない安定した読みを可能にし、高得点や好成績の維持につながるのです。

私立中学受験科が指導する「客観的な問題アプローチ」

国語の不安定な成績の1つの要因となっているのが、「主観的な判断」によって問題を解いてしまうことです。暗記系の問題を除いて、大半の問題の答えの根拠は文中にあります。そのため、高得点をとれるかどうかは、その根拠をいかに的確に、しかも効率よく探せるかどうかにかかっています。当塾の私立中学受験科では、「主観的な判断」を排除して、文中にある「客観的な根拠」を探すためのアプローチの仕方を身につけさせるために、答え合わせの際にかなりの時間を割いて解説を行っております。なぜなら、単に答え合わせをするだけではこのような「客観的な問題アプローチ」の仕方は身に付かないからです。そして、このアプローチの仕方を身につけてさえいれば、たとえ難解な文章の場合であっても、内容の理解が十分でないながらもアプローチのコツをつかんでいるために答えの判断ができてしまうこともあるのです。分からない時こそ、でたらめに解答するのではなく、手順を踏んで解答していく必要があるのです。

最後に

繰り返しになりますが、「国語」というものは、漠然としたやり方で学習を続けているだけでは成績の向上は期待できません。当塾の私立中学受験科では、フィーリング(=安定感の無い自分勝手な判断)に頼らず、しっかりとした戦略を持って文章を読み、そして的確なアプローチによって解答していく力、「本当の国語力」を養うことを主眼に置いて、「ビジョン」を持った「戦略的」な授業の実践に全力を注いでいます。ぜひ当塾の私立中学受験科でこの授業を体感してみてください。

[算数]私立中学受験科が考える『使える算数力』と『つながる算数力』

『使える算数力』 ~「特殊算」の丸暗記だけで終わらせない指導~

中学受験の算数には普段の小学校の授業では習わない特殊な解法が数多く出てきます。これらの解法の丸暗記をして問題演習をこなしていけば、ある程度の偏差値にまで達することは難しくありません。

しかし実際の入試問題では、特に近年のものに顕著ですが、柔軟な思考力を要求する問題の出題が少なくありません。特殊算の丸暗記だけでは典型問題には正解できますが、これらの思考力を問う問題には到底対応はできません。

算数は暗記科目ではありません。学習する際には、ただ自分の答えが正解しているかどうかだけをチェックするのではなく、答えに至るまでの道筋を確実に理解できることが必要となります。そのため、当塾の私立中学受験科では「なぜこの解法をとるのか?」という理由が分かるような解説を心掛けています。特に新しい公式を授業で初めて紹介する際には、じっくりと時間を取って公式の根本を理解できるような解説にも心掛けています。1つの解法や公式を、時間をかけてじっくりと考えることは一見遠回りのようですが、算数の本質を理解するためには大切なことなのです。また、一度じっくりと自分の頭で考えたことは、忘れにくくなるというメリットもあるのです。

『つながる算数力』 ~「中学数学」への橋渡しとなる指導~

受験勉強で学ぶ特殊算の解法のほとんどが、中学校における数学では使うことがありません。代表的なものに「面積図を利用した解法」というものがあります。これは、「食塩水の問題」「平均の問題」「つるかめ算の問題」などを計算する際に、中学受験を指導する塾や受験用の参考書等で用いられる一般的な解法ですが、中学で学習する数学では一切使いません。その理由は、中1数学の早い段階で「方程式」を学び、これにより未知数をxなどの文字を置いて式を立てることが可能となるため、中学受験では重宝される「面積図を利用した解法」も不要となってしまうのです。

ところが、中学受験での学習に用いられるこの特殊な解法に慣れたお子様の中には、方程式を学習するときに「文字に置き換える」という事に戸惑うお子様がほとんどです。実際、受験後に入塾された私立中学のお子様の中には「面積図の方が簡単なのに、なぜ文字を使うのか?」「楽に解ける面積図を使って問題を解きたい」などと言う方は多いです。今まで散々使っていた解法を中学に入った途端にいきなり全く使わなくなることに抵抗があるのも無理はありませんが、中学・高校・大学では、私立中入試で用いられた特殊な方法は完全に否定されます。中学から本格的に習う「方程式」になじめず、数学嫌いになる人が多いのが現状です。

当塾の私立中学受験科では「中学数学」ヘとスムーズに橋渡しができるような指導を心掛けています。そのため、この「面積図を利用した解法」を1つの解法例として紹介はしますが、それを中心として指導をすることはありません。その代わりに、「①算」という解法を使って問題を解いていきます。この解法でxなどの文字は使いませんが、考え方は中学で学ぶ「一次方程式」に近いものになります。この「①算」を使う解法をマスターしていれば、「一次方程式」の考え方を理解するのはさほど難しくありません。またそれ以外にも、受験算数の範囲を超える内容であっても、必要があれば高校で学習する内容を授業で紹介することもあります。入試を突破する力をつけさせることも大事ですが、当塾の私立中学受験科ではこのような「中学受験以後も見据えた算数の指導」を何よりも大切と考えて指導を行っています。