東京大学 理科Ⅰ類 合格 Y君 愛知県立明和高校卒業

僕が志望校を東大にしたのは高3の夏休み直前です。それまでは東大なんて絶対ムリと思い、模試の志望校欄に記入すらしたことがありませんでした。しかし、あろうことか高3の夏休みは8月の後半に部活の大きな発表会があったり、文化祭の準備だったりで、ほぼ毎日学校に行き、ほとんど勉強をしませんでした。結局過去問もほとんど手をつけず本番をむかえましたが、それでも現役合格を果たせたのは、運だけではないと思っています。どうしてか?それは僕には「基礎力」がついている(と思う)からです。

たしかに僕は志望校を、京大→阪大→名大→東工大→京大→東大と変え続け、やる気が出ないと勉強しない怠惰な受験生ではありましたが、わからなかった問題は「その問題が初見だったとしても解けるような理解体系」を分析によって、必ずつくるようにはしていました。

例えば数学の「整数問題」という木は、「因数分解を利用する」、「剰余で分類する」、「大小で評価する」、「離散的であることを利用する」という4つの枝からなると理解し、「ガウス記号があったら、大小評価と離散性を利用する!!」というようにわからなかった問題の本質を分析し、枝につなげることで自分の「解法の鉄則」をつくっていくのです。

また、僕がもう一つ重要だと考えるのは「縦割り理解」です。教科書では数Aで図形、数ⅡBで図形と方程式・ベクトル、数Ⅲで複素数を習いますが、これはすべて「図形問題を解く武器」となります。また、数Ⅰの背理法、数Aの部屋割り論法、無限降下法、数Ⅱの数式の目示による図形的考察、数Bの数学的帰納法、これらはすべて「全称命題・存在命題を証明するための武器」となります。数学だけではありません。

物理ではあまり知られていませんが、台の上に物体を乗せる問題は、外力が重力だけの時、総じて「2体問題」と呼ばれ、重心系から運動を観察すると、換算質量を用いて記述することで驚くほど見通しがよくなります。

例が長くなりましたね。話を戻します。大学を目指す理由は様々です。皆さんの中にはどうしても合格したくて焦ってしまう人もいるでしょう。しかし、僕は勉強に近道はないと思います。志望校のみを見ていては、視野が狭くなり、理解体系にムラができてしまいます。これを読んで、深く理解しようと追究することの大切さが少しでもわかっていただけたら嬉しく思います。そして、僕が集中して勉強する機会を与えてくださった敬倫塾には本当に感謝しています。本当に6年間ありがとうございました。

最後に後輩へ大事なことを。英語と古典の単語・文法は絶対にやっとけ!!

(オススメ参考書:「入試数学の掌握」、「新・物理入門」、「大学への数学シリーズ」、「現代文開発講座」)