県立A高校 T君 近畿大学 総合社会学部 総合社会学科 合格
私は中堅高校に進学し、この春から関西の偏差値50台の大学に通う、私立文系大学生です。敬倫塾には国公立を目指して上位の高校を受験し、実際に進学している人がたくさんいることでしょう。そのような中で、中堅高校に通う方たちへ、大学受験に対する新しい考え方を提案できたらと思います。あくまでも私立文系大学へ進学する私の視点なので、「少しズレてるな」と思っても、緩く受けとめていただけると嬉しいです。
「よい高校に行けば、よい高い大学に行ける」「よい大学に行けば、よい企業に就職できる」
本当にそうでしょうか。私が大学受験を通して感じたのは、「どの高校に進学したとしても、大学受験にはさほど関係ない」ということでした。結局大事なのは、自ら進んで勉強することです。
私は毎日学校に通い、8年間塾にも通っていました。それでも高校3年生の1学期時点での偏差値は45くらいでした。学校や塾の授業の質が悪かったわけではありません。ただ単に、勉強する気がなかったからです。
「よい高校」、「よい大学」、「よい就職先」とは、そもそも何なのでしょう。もちろん少しでも上を目指して頑張っている人もたくさんいるでしょうし、否定するつもりもありません。でも、「なぜその選択をするのか」がはっきりしていない人も多いのではないでしょうか。私には、ただ漠然と「よい大学に行くこと」が目標ではなく、はっきりとした「目的」が必要でした。勉強の代わりに部活や趣味に打ち込んでいるうちに、「やりたいこと」や「学びたいこと」が見つかりました。そこで初めて、「この大学のこの学部に行きたい」と思えるようになり、勉強を始めました。
大事なのは目的意識を持って努力することであって、どこの学校に通っているかではありません。私の高校からも上位国公立大に合格した人もいますし、かりに東大を受験した人がいたとしても「合格できない」わけではありません。中堅高校からでも、どこの大学でも行こうと思えば行けるのです。通っている学校の偏差値やテストの順位なんて関係ない。現時点での成績がこうだから、この偏差値帯の大学を受験する—そんな必要はありません。それよりも大事なのは「passion(情熱)」です。
中堅高校に通っている方の中には、明確な目標を持っている方はそれほど多くはないかもしれません。特に文系は指定校推薦で大学進学する人の割合が高く、一般で大学受験をしようと考える人はあまり多くはないでしょう。まずは自分から動くことが大切です。休み時間中に机で勉強したり、早弁して昼休み中に図書館へ行ったり、学校に残って勉強したり…。最初は一人かもしれません。でも大丈夫、絶対に仲間ができます。どんな環境でも本気で努力していれば、同じように目標を持って努力している人が集まってくるものです。だからこそ、いろんな世界に触れてみてください。振り返ったときに「もっと知りたい、もっとやりたい」と思えたら、それを目標にしてみてはどうでしょうか。皆さんに少しでも「そういう考え方もあるんだな」と思ってもらえたら嬉しいです。
最後に、ふざけてばかりで簡単なことすら理解しようとしなかった私に、根気よく向き合ってくださった塾の先生方に心から感謝の気持ちを伝えたいと思います。