公立中高一貫校の適性検査の傾向

 先月もお伝えしましたが、愛知県の県立中高一貫校が設置されることが正式に発表されています。今月は、他県の適性検査の傾向から、愛知県の適性検査の内容がどのようなものになるのかを考えていくために、東京都の小石川中等教育学校の適性検査の出題方針を掲載します。
 まずは、先月掲載しました愛知県の中高一貫校における入学生徒の選考方法をご覧下さい。

⑹ 入学生徒の選考方法
ア 適性検査
 出題は、小学校学習指導要領の範囲内とし、思考力、判断力、表現力、課題解決力等を総合的に測ります。なお、適性検査のサンプル問題は、2023年度に公表する予定です。
イ 面接
 中高の6年間学び続ける意欲や志望動機、適性、コミュニケーション能力などを見ます。
ウ 調査書
 小学校5・6年生の内容を、点数化はせず、入学者決定の際の参考として見ます。
※ 調査書の内容や抽選の導入の有無は、今後検討します。

 次に、東京都の小石川中等教育学校における適性検査の出題の基本方針をご覧下さい。

 令和4年度 東京都立小石川中等教育学校の適性検査問題の出題の基本方針等
1 出題の基本方針
 (1) 豊かな感性、主体性や創造性など、リーダーに求められる資質・能力をみる。
 (2) 思考力や判断力、表現力等、小学校での教育で身に付けた総合的な力をみる。
2 適性検査問題の出題の方針、問題の構成及び主なねらい
 出題の基本方針を踏まえ、以下のとおり適性検査Ⅰ及び適性検査Ⅱ(及び適性検査Ⅲ)を実施する。

適性検査Ⅰ(45分)
(1) 出題の方針
文章の内容を的確に読み取ったり、自分の考えを論理的かつ適切に表現したりする力をみる
(2) 問題の構成及び主なねらい
・ 大問を1問とし、小問3問で構成する。
・ 文章を読み、読み取った内容をまとめたり説明したりする力をみる。
・ 与えられた課題について、読み取ったことを踏まえて自分の考えを400字以上440字 以内でまとめ、文章で表現する力をみる。

適性検査Ⅱ(45分)
(1) 出題の方針
資料から情報を読み取り、課題に対して思考・判断する力、論理的に考察・処理する力、的確に表現する力などをみる
(2) 問題の構成及び主なねらい
・ 大問を3問とし、小問7問で構成する。
・ 図形を題材とし、言葉・数・式などを用いて、数理的に考察・処理する力、論理的に考え表現する力、図形の構成について思考・判断する力をみる。
・ 交通と社会の関係に関して資料を基に論理的に考察し、身近な社会や社会全体の課題についての考えを適切に表現する力をみる。
・ 石けんと洗剤を題材とし、実験を基に物質の性質について考察し、的確に表現する力をみる。

適性検査Ⅲ(45分)
(1) 出題の方針
身近な事象を通して、分析力や思考力、判断力などを生かして、課題を総合的に解決する力をみる
(2) 問題の構成及び主なねらい
・ 大問を2問とし、小問7問で構成する。
・ これまでに身に付けてきた知識や経験を基にして、課題を解決する力をみる。
・ 自然科学への興味・関心の程度、表現力・論理的な思考力をみる。
・ 事象を数理的に分析し判断する力など、総合的な思考力をみる。

 小石川中等教育学校での適性検査は3種類ありますが、受験者の思考力・判断力・課題解決力をどのように説明するかの「表現力」に重きが置かれています。つまり解答では、的確に文章で書ける力が重要です。これは小石川中等教育学校だけに限ったものでなく、適性検査において全般的な傾向となっています。
 本校では11月に中高一貫校への対応についての保護者会を実施する予定です。そこでは他の地方公共団体での公立中高一貫校の適性検査の実施状況及び、敬倫塾での中高一貫校に向けた指導体制について説明致します。なお、開催日時等の詳細につきましては、後日改めてお知らせします。