（１）公立進学か私立進学か

「私立高校の授業料は高いから、高校進学は公立へ」という時代は、もう完全に終わったと言えそうです。愛知県は全国４７都道府県の中で、最も私学助成に力を入れています。とうとう年収720万円未満の世帯の高校生は、受講料が全額補助されるということになりました。これは、家計にとっては、とても嬉しいことです。このこともあり、敬倫塾では、推薦で私立高校に進学しようという生徒の数は大きく増加しました。

　公立を受験するためには、偏差値と通知表の合計（内申点）が合否の分かれ目となります。

進学希望校	通知表の合計	偏差値（全県模試）
旭丘・明和・向陽・菊里	４２以上	６８以上
千種・瑞陵・名東・桜台	３９以上	６６以上
その他名西高校以上の高校	３４以上	６０以上

上記は、敬倫塾が受験校を決定するときに参考としてお話ししているものです。一般的な値と比べると少し高めだと思われるかもしれませんが、入学後にも困らないようにするためだとお考え下さい。

2020年の高校進学者で、公立を受験せず、初めから私立高校への推薦を決めた人の多くは、通知表の合計が28～32位の人です。進学先は、春日丘、名経大市邨等です。通知表の合計が33以下でも名西高校に合格できますが、その場合、偏差値は63以上必要です。

また、通知表の合計は28以上あるが、自分の希望する適当な普通科高校がないということで、西陵や愛商等を受験する人、愛知総合工科、市工芸等に進学した人たちもいます。こういった高校に進学した人達で、大学進学を希望する人の割合は、増加の傾向にあります。これらの高校では、大学進学希望者を積極的に応援しています。

ところで、この中で私が特にお勧めしたいのが愛知総合工科です。この学校には、専攻科（2年）があります。当塾から豊田工業に進学する人がよく出ますが、この高等専門学校に合格する為には、通知表の合計が36以上、偏差値が63以上あったほうがよいと思います。この愛知総合工科は、豊田工業と同じように、5年間指導してくれます。学校の施設は驚く程です。専攻科に推薦してもらうためには、入学当初からまあまあの成績を維持していなければなりませんが、２年生から猛勉強すれば間に合うこともあります。ここ以外の工業高校に進学した生徒の多くは、指定校推薦等を利用して、大学に進学するか、専門学校に進学します。就職しようとする人もいます。しかし、愛知総合工科への入学は、少し厳しいと思ったほうがいいでしょう。

夏になると、いろんな高校の説明会が開かれます。学校見学をした私立高校の一番人気は、中京大中京です。施設良し、環境良し、交通の便良し、大学も魅力ありです。ところが、この高校に一般入試で入学するのは、なかなか大変です。一般入試で合格するためには、英語・数学・国語・理科・社会の５教科の合計が20以上で、偏差値は63以上必要と思われます。実際、一般入試では、通知表の合計が40位あっても不合格になる場合があります。そのため、この高校に是非合格したいと思うなら、推薦をお勧めします。中学３年の2学期の通知表の合計が36位あればいいと思います。このほかに、名城大附属、名電が人気ですが、この2校も、中京大中京と同じくらい一般入試で合格することは難しいと言えます。ですから、これらの３校に進学したいのなら、中学３年時には通知表の合計が36以上になるようにしておかねばなりません。通知表を良くするためには、次の３つがポイントです。

①提出物は丁寧に仕上げ、期限をきちんと守る。

②授業中の態度は、いつも担当教師に好感をもってもらえるようにする。

③定期テストでは通知表の成績が４以上になれるようにする。

名城大附属、中京大中京、名電以外の多くの高校は、一般入試における得点だけで合否が決まります。ほとんどの私立高校が、偏差値45以下でも合格可能です。しかし、通知表の合計が20前後の人は、一般入試ではなく、中学校長の推薦により進学を決めます。

（２）自分の実力把握は絶対に必要です。

学校の成績と５教科の実力は比例していません。通知表の評価は、①提出物　②授業に対する関心・態度　③定期テスト等の成績を総合的にみてのものです。また、定期テストは一定の範囲における、教科知識の理解を見るという瞬間的なものです。その人に本当に学力として身に付いているかどうかは別物です。実力判定をするためには、名古屋市在住の方なら「全県模試」をおすすめします。この模試は、愛知県の公立高校入試における合否判定を、通知表の合計点とテストの成績を参考にして非常に精度の高い状態で提供してくれます。

ほとんどの学習塾が参加していますが、自分が所属している塾で実施されていない場合、主催者が用意する会場で受験したり、最寄りの実施塾で受験することが可能です。敬倫塾を利用する方も何人かいます。また、敬倫塾で受験された場合は、その後の進学相談を無料で受けることができます。