迷走中の日本の英語教育

皆さんに、2020年度より変わる大学入試の英語についてお話したいのですが、2019年1月になっても、センター試験の利用や外部受験による英語能力の判定について、決定的なものが出ていない状態です。

今、英語では4つの技能を測定しようとしています。listening(聴く能力),speaking(話す能力),reading(読む能力),writing(書く能力)がそれらです。現在の大学入試で実施されているセンター試験では、それらの技能がきちんと測定できていないという理由で、それに代わるものが検討されています。

 現在、日本では小学生時から英語の教育が行われていますが、それによって英語に対する能力が大きく向上しているとは思えないばかりか、かえって中学生が英語を嫌いになる割合がふえているのではないかと思えます。

 昨年末、ある私立中学生に英語の読解指導をしている中で、2018年の国際英語力比較〔EF EPI〕での日本の順位が49位であることを知り、大きなショックを受けました。日本以外アジアの国々についてみると、次のようです。

 3位 シンガポール,14位 フィリピン,22位 マレーシア,28位 インド,30位 香港,31位 韓国,41位 ベトナム,44位 マカオ,47位 中国,48位 台湾

私自身にとっての英語は、単なる受験科目の1つ以上の何物でもありませんでした。今でも、多くの中高生にとって、英語は学習すべき教科の1つに過ぎないのではないでしょうか。

 日本より英語力が高い国々に、ほぼ共通に言えることは、外国の人々との接触機会の多さや、母国語があらゆるものをカバーしていないという点にあるのではないかと思います。日本では、外国の小説等の翻訳が非常によくなされていて、原文を読む必要がほとんどありません。しかし、翻訳が進んでいない国の人々は、英語で書かれた書物等を読んで理解しなければなりません。また、外国の人達と一緒に会話をしながら働く必要性が高いので、自ずと英語で理解し合う機会が多いのではないのでしょうか。

 もし、日本で多くの外国人と話す機会がふえれば、日本人の英語能力は向上すると思いますが、これはなかなか実現しそうにありません。

 敬倫塾では「英検」での資格取得をすすめています。本校で英検講座を受講している中学生のほとんどが、2年または3年に「準2級」を取得します。また、本校の高等部では「2級,準1級」がとれるような英語指導を行っています。中3までの塾の授業では、4技能のうち「話す」,「読む」,「書く」の3つは指導できます。「聴く」力は英検や高等部の英語で指導しています。  今後、ますます英語の能力向上を日本は目指していくでしょう。敬倫塾での英語指導は、皆さんの力に今後もなっていきます。