変わる令和の入試事情(高校・大学受験編) 塾長提言6月号

【1】私立高校無償化で変わる高校入試

 愛知県では長年、「高校は公立へ進学するもの」という考え方が一般的でした。しかし、私立高校授業料の無償化を背景に、その状況は大きく変わり始めています。
 まず公立高校入試ですが、現在は学習成績や学校での活動状況などを記録した調査書(内申書)と、当日の学力検査の結果によって合否が決定されます。特に進学校では学力検査の結果を重視する傾向が強まっており、現在はおおむね「内申点3割、当日点7割」と言われています。今後はさらに当日点重視の流れが進む可能性があります。
 一方、私立高校では授業料無償化の影響により受験者数が大きく増加しています。これまでのように公立高校の「すべり止め」として受験するのではなく、公立高校を受験せず、最初から私立高校を第一志望として推薦入試で進学を目指す生徒が増えています。その結果、一般入試における受験者数は減少傾向にあります。私立高校の推薦入試では、高校側が中学校に対して合格基準となる内申点を示している場合が多く、その基準を満たし、中学校から推薦を受けることができれば合格につながるケースが一般的です。ただし、推薦入試を利用する受験生が増えているため、近年は求められる内申点の水準も高くなっており、実際に2025年度入試では推薦入試による合格者が増加したことから、各校のボーダーラインも上昇する傾向が見られました。
 このように、高校入試は公立・私立ともに大きな変化の時期を迎えています。これまで以上に早い段階から進路について考え、自分に合った受験方式を選択していくことが重要になっています。

【2】多様化が進む大学入試

 大学入学共通テストの導入により、大学入試は大きく変化しました。従来の知識を問う問題だけでなく、思考力や判断力、応用力を必要とする問題が増え、問題文の長文化や資料・グラフの読み取りなども重視されるようになっています。
 さらに、大学入試における最大の変化は入試方式の多様化です。一般選抜による入学者が減少する一方で、小論文や面接、活動実績などを評価する総合型選抜や、学校長の推薦を受けて受験する学校推薦型選抜の利用者が増加しています。これらは「年内入試」と呼ばれ、2025年度には大学入学者の53.7%を占めるまでになりました。最難関大学や医学部を除き、浪人を避けて現役での進学を目指す傾向も年々強まっています。
 こうした状況の中で、大学受験は「情報戦」と言われる時代になっています。大学ごとに入試方式や出願条件、評価基準は大きく異なり、同じ学部・学科でも複数の受験方法が用意されていることも少なくありません。そのため、自分が志望する大学にはどのような入試制度があるのか、どの受験方式が自分の強みを最も活かせるのかを早い段階から調べることが重要です。また、総合型選抜や学校推薦型選抜では、評定平均だけでなく、資格・検定、課外活動、ボランティア活動、志望理由書、面接などが評価対象となる場合があります。高校1年生・2年生のうちから必要な情報を集め、計画的に準備を進めることで、受験の選択肢は大きく広がります。
 大学受験では学力向上はもちろん、自分自身を理解し、正確な入試情報を集めることが合格への大きな鍵となります。

 (塾長 加藤)