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敬倫塾からの提言

超就職氷河期 2011年2月15日号

[1]内定率68.8%、学生数増、留学生も参戦
 不安と焦りから、大量の企業に登録する学生は多い。以下は就職情報会社ダイヤモンド・ビッグアンドリードの調査による、1人あたりのプレエントリー数である。
09年春卒業予定者 63.8社
10年春卒業予定者 83.1社
11年春卒業予定者 97.0社
 毎年、プレエントリー数は増加している。一方、就職できずに、1年、2年と就職を見送った大卒者も年々増加している。加えて、企業は外国人学生の採用を積極化し、中国など新興国の学生や国内の難関大で学ぶ留学生らに狙いを絞って来ている。
 このような状況から、今後、就職難は更に激化すると予測される。

[2]採用望む企業はないのか。 「知らぬ会社」への警戒感
 中堅・中小企業の採用意欲は旺盛なのに、学生に大企業志向が強いというミスマッチ。今春卒業予定の大学生の求人倍率(仕事を探している人1人あたり何件の求人があるかを示すもの)は、5,000人以上の大企業では0.47倍だが、300人未満の企業では4.41倍(リクルート調査)である。
 不景気から、学生も安定した大企業志向になりがちである。また、労働条件を考え、有名企業しか回らない学生も多いという。

[3]企業側の強気姿勢
 人材コンサルティング会社「HRプロ」が上場企業など388社に今春採用で主な対象となる「ターゲット大学」を設定したかを調査したところ、3割がターゲット(採用予定大学)を設定し、うち8割が20校以下に絞っていた。同社の調査では、旧帝大など上位校の学生は5月までに8割が内定を得たとみられる。


 上記は朝日新聞(平成23年1月19日朝刊)から引用したものだが、中学生・高校生諸君もこの現状をよく知っておいてもらいたい。
 中学生諸君の中で、自分の将来をきちんと考えている人達は、ほとんどいないと思う。公立高校の普通科に進学しようと思っている中学生は、できるだけ大学進学実績の高い高校に入学したいと思っている。そこに入学できれば、大学進学も約束されていると思ってしまっている者が多い。ところが、部活と勉強を両立している中学生はごく僅かしかいない。毎日ヘトヘトになるまで部活をしている者は多い。中学3年の夏に部活を引退したあと、猛然と勉強するという生徒は、ほとんど見かけられなくなった。全県模試で、合格するためにはどれくらいの成績がなくてはならないかということがわかっているはずなのにである。
 また、高校生諸君のほとんどは、部活は熱心だが、高校卒業後のことを考えていない。一つの物事に対してひたむきに努力するという日本人らしさを失っている者が多い。難関国公立大学は学費も安いが、安定した企業からの求人も多い。農業や漁業で生活を支えたり、家業を継ぐつもりがないのなら、中学生・高校生達はもっと自分磨きをしておくべきではなかろうか。せめて、敬倫塾で学んだ者達だけでもこのことに気付いて欲しいと思う。
敬倫塾塾長 加藤敬志
2011年2月15日号