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敬倫塾からの提言

無駄な労働やめ将来へ種をまけ 〜勝間和代さんに聞く〜
2010年1月15日号

(前略)
(問) どうすれば不況から脱出できるか。
(答) まず、日銀が金融緩和をする。政府は得られた「資金」を介護、教育、農業に振り向け、セーフティーネットを増強する。日本の産業レベルは高く、単純労働の場が減っている。失業の抜本解決には(働く人が高度の知識を得られる)教育の充実が必要。介護の仕事をする人が足りないのは、儲からないから。それなら報酬を上げるしかない。
(問) 個人は不況とデフレをどう乗り切るか。
(答) 生活防衛に走ることが逆にリスクになる。投資と消費の区別をつけたい。本当に将来必要なもの、例えば、教育や健康に良い食べ物にはお金を使う。 (中略) 無駄な仕事をやめ、できた時間には将来への「種まき」をしたい。
(問) 具体的には。
(答) 体力づくり、英語の勉強、地域でお祭りを行うための組織づくりや、町を清掃する会の結成・・。これらは景気が回復した時の武器になる。仲間をつくり、(社会に対し)意見が言えるようにしておく。母親の声で学童保育所ができたこともあった。不況で(仕事など)やることがないと言うのなら、そういう事をやった方がいい。

勝間和代 (カツマカズヨ)
 慶応大商学部卒(41才) 監査法人勤務、証券アナリストを経て経済評論家。2005年、ウォール・ストリート・ジャーナルから「世界の最も注目すべき女性50人」に選ばれる。07年以降、「効率が10倍アップする新・知的生産術」など自己啓発本も多く出版。昨年11月の政府の公聴会では、日銀の国債引き受けや、通貨の大量発行による金融緩和を提唱し注目された。

 私は勝間さんの大ファンではないが、彼女の提唱する自己啓発には大いに共鳴できる。この記事にも述べられている「自己への投資」は、誰もが心がけるべきものである。人はいろいろなやりたいことがある。しかし、それらの全てに充分な時間をかけることはできない。多くの人は、どれも中途半端になっているか、または、自己の魅力作りとならないものに多くの時間をかけてしまっている。私達は、しなくてはならないものと、しなくても済むものを選び分けなければならない。忙しい状態の時、ただ漫然とそれをこなしていれば、いつまで経ってもその忙しさからは解放されない。仕事に優先順位をつけ、更に効率化がどうしたら図れるかを真剣に考える。この姿勢こそが、いろいろな仕事ができるようになる秘訣ではないだろうか。
 また、絶えず、自分自身の可能性を高めるため、どうやったら上手く処理できるかということを人に頼らず考えなくてはならない。いろいろな人の優れた知識や方法に触れ、自分自身の頭でどんな方法が自分に最適であるかを見つけなくてはならない。スポーツや趣味のための時間を確保したければ、それらがいつも安心して確保できるように毎日を過ごさねばならない。高校生時代は短い。だからこそ、楽しみたいと言う人がいるが、学ぶことができる時間を浪費してしまっている人は多い。スポーツ選手にならないのなら、スポーツが自分にとって何なのかをきちんと考えておかなければ、結局は自分を平凡以下にしてしまう。
敬倫塾塾長 加藤敬志
2010年1月15日号