数学って面白い! No.2
中学受験指導を行う中で、どうしたら「受験算数」を分かりやすく教えられるだろうかと悩むことがあります。使用している教材の解説書は、必ずしも子どもたちにとって理解しやすいものであるとは言えません。また、模擬試験等に出題された問題の解説も、なるほど分かりやすいと思えるものばかりではありません。私は以前にも中学受験の算数を教えていましたが、もう少し分かりやすく教えられたのではないかと思えるものもあります。今回はその中でも、興味深い解法を皆さんにご紹介したいと思います。
| [例題] Aを3個買ったときの値段とBを4個買ったときの値段は同じです。 また、Aを2個とBを5個買ったときの代金の合計は690円です。 A 1個、B 1個の値段はそれぞれ何円でしょう。 |
Aを3個買ったときの値段とBを4個買ったときの値段は同じということから、A 1個とB 1個の値段の比は1/3 : 1/4となり、比を簡単にする(整数にする)と4:3となります。よって、「A 1個の値段は④円」「B 1個の値段は③円」と表すことができます。
これだけでは、「なぜ比が1/3:1/4になるのか」の説明をあまり理解できないまま進んでしまう可能性があります。そうすると考え方がなかなか身につきません。
私はこれを次のように考えます。
A 1個の値段をA円、B 1個の値段をB円とすると、「A×3=B×4」と式に表せます。「A×3は3の倍数」、「B×4は4の倍数」なので、3の倍数でもあり4の倍数でもあるこのような数は「12の倍数」になります。そこでこれを⑫とおきます。
そうすると、「A×3=⑫」となるので、「A 1個の値段は④円」、「B×4=⑫」となるので、「B 1個の値段は③円」と表すことができます。
その後の計算は、下のようになります。
A 2個の代金は、A 1個④円より「④×2=⑧円」B 2個の代金は、B 1個③円より「③×5=⑮円」です。ですから、A 2個とB 5個の代金の合計は「⑧+⑮=㉓円」となり、これが690円なので「㉓=690円」で、「①=30円」となります。
よって、A 1個の値段は④円より「30×4=120円」、B 1個の値段は③円より「30×3= 90円」となります。
ところで、中学生以上の人なら、A 1個をx円、B 1個をy円として、
3 x = 4 y
2 x + 5 y = 690
と連立方程式を立ててから解くことができます。しかし、中学受験ではわかっていない数量を①や 1⃣において考えることがあります。これが使えると算数が理解できるようになってきて、だんだん面白くなりますよ。