「英語教育実施状況調査」の結果から分かること

 

 文部科学省が、令和6年度に行った「英語教育実施状況調査」の結果を公表しました。この調査は、平成29年3月に小中学校、平成30年に高等学校の学習指導要領の改訂を受けて、毎年実施しているもので、日本全体の英語教育の進捗を把握することを目的としています。

 現在、国の方針では、中学校卒業段階でCEFRのA1レベル(英検3級相当)、高等学校卒業段階でCEFRの A2レベル(英検準2級相当)の英語力を、50%以上の生徒が身につけることを目標としてきました。これはすでに達成されており、2023年度から始まった第4期「教育振興基本計画」では、目標をさらに引き上げ、中高ともに60%以上、加えて高校ではより高いレベルであるCEFRのB1レベル(英検2級相当)を30%以上とする目標が掲げられています。

 2024年度の全国の平均達成率は、中学校で52.4%、高等学校で51.6%となっており、全国的に英語力の底上げが進んでいることが分かります。

 しかしながら、愛知県の結果を見ると、中学高校いずれも全国平均を下回っています。特に高校では5.7ポイントの差があり、英語力の向上が課題となっています。

〇愛知県の現状
教育段階CEFR基準到達率全国との差
中学3年生51.9%-0.5pt
高校3年生45.9%-5.7pt

 また、英検などの外部検定試験の受験状況も、愛知県は全国平均に比べて大きく下回っています。その背景には、愛知県の高校入試において、英検などの外部検定があまり評価されていないことが一因と考えられます。また、大学入試においても、外部検定の活用にはハードルが高く、実際に利用する生徒は限られています。一方で、大阪市では英検を高校入試で「みなし得点」として活用しており、中学生の受験率は84.5%に達しています。また、東京都では多くの私立大学で英検などの外部検定が導入されており、高校生の受験率も64.4%と高くなっています。

外部検定試験(英検など)受験率
教育段階愛知県全国平均
中学3年生25.6%45.7%
高校3年生29.3%49.8%

 このように、入試制度の違いが外部検定試験の受験率に大きく影響していることが分かります。愛知県では、入試への直接的な影響が小さいために受験者が少ない傾向にありますが、それでも英検などの外部検定を受験することには大きな意味があります。大学入試は全国規模の競争であり、自分の英語力を客観的に把握し、証明する手段として、外部検定の活用は今後ますます重要になると考えられます。

 学校の授業での学びに加えて、英検などの外部試験にも積極的に挑戦し、自らの英語力を高めていく姿勢が求められています。目先の入試だけでなく、その先の進学や就職を見据えて、英語の力を着実に伸ばしていきましょう。(本校 鈴木)