いわゆる レベルの高い中学、低い中学

敬倫塾がこの地に誕生したのは1976年12月で、それまで私が主に指導してきたのは西区です。このほかに中村区や千種区があります。指導してきた地区での対象中学校は主に次のようでした。

(西区周辺)丸の内、菊井、笹島、浄心

(中村区周辺)豊正、豊国、長良

(千種区)城山、千種台

この中では、丸の内、城山、千種台がいわゆる「レベルの高い中学校」でした。これらの中学校の生徒は全体として、他の中学校の生徒よりも学力レベルが高く、定期テスト等も難しかったようです。西区の明道町(円頓寺)にある塾では、高校の進路相談に乗ることもよくありました。菊井学区や笹島学区に住んでいる人達の中には、地元の学区に不安を持ち、丸の内中学に越境通学させている人がいました。公立高校に進学しようとすると内申(通知表における成績)が問題となります。中学校のレベルを考えて越境したのですが、思うような内申がとれず止むなく3年生になって、地元の中学に転校する人がいました。しかし、地元に戻ったからといっても、急激に内申が上がらなかった生徒もいました。

中村区での3つの中学校は、ほぼ同レベルで、千種区の2つの中学校はいずれもレベルが高かったです。私が中学生活を送った大曽根の学区の生徒で、東区の桜丘に越境したり、敬倫塾発祥の地である若葉・八王子学区から、冨士、丸の内に越境した人も何人かいました。

いわゆる「レベルの高い中学校」に通うことは本当に有利なことと言えるのでしょうか。私は、いろいろな学区を指導した経験からと業者テストのおかげで、受験しようとする高校の合格者の内申の平均というものをつかみました。レベルの高い中学校に所属している生徒は、一般的に学力がついていて当日の入試に強く、そうでない中学校の生徒は、一般的に入試に弱い傾向にあると思われます。わかりやすく説明すると、千種高校を受験しようとするとき、一般的に内申は41必要だと言われています。当日のテストで高得点がとれるなら内申は39もあれば充分でしょう。逆に、当日の学力テストに不安があるのなら、内申は44以上必要です。レベルの高いと言われている中学に在籍していても学力(実力)がついていない生徒もいれば、その逆もあります。学力がついているかどうかは全県模試を受ければわかります。中学での内申は、提出物の状況、授業中の積極性(関心態度)、テストの成績によって左右されます。その為、実力があっても、積極性に欠けるとみなされた場合、いい評価を得ることはできません。内申点では、学力が測りにくいため、昨今では、入試における学力テストが重視されています。

一般的にレベルの高い中学校の生徒は内申がとりにくいと言えましょう。その為、公立高校よりも私学に通学する割合が高いようです。愛知高校の入試問題はかなり難しいですが、この高校は内申が高くなくても学力のしっかりした生徒をとりたいと思っています。レベルの高くない中学校の生徒は、周囲があまり勉強しないので内申はとり易いと言えましょう。学力(偏差値)が高ければ、レベルの高い中学校の生徒よりも有利だと言えます。