塾長提言 10月号
7月から、私は塾生のために「地理」と「歴史」の補助教材を制作しています。この教材は、教科書の内容をより深く理解できるように工夫されており、AIの技術も活用しながら、生徒が自ら考え、学びを深められるように構成されています。
現在、本校では中学3年生の3名が、この教材を使って、通常の授業とは別に学習を進めています。いずれも、これまで塾で社会のクラス授業を受けたことがなく、特に地理に苦手意識を持っていた生徒たちです。教材は現在も制作中ですが、地理の学習にさらに取り組みたい中学3年生の方がいらっしゃいましたら、校長までお申し出ください。(「地理Ⅰ」「地理Ⅱ」のテキスト代として、それぞれ1,155円が必要になります)
この補助教材を制作する中で、ある気づきがありました。それは、私が中学生だった頃の「地理」と現在の中学校で学ぶ「地理」では、学習内容に大きな違いがあるということです。私が学んでいた頃の地理は、日本や世界の地形、気候、農業・産業などが中心でした。しかし、現在の地理では「持続可能」「再生可能」といった言葉が教科書に登場し、世界各地が抱えるさまざまな課題や、国際的な産業・貿易の変化などにも目を向けるようになっています。つまり、現在の地理は、単なる知識の習得にとどまらず、現代社会の課題を主体的に考えるための重要な教科になっているのです。
そのような視点から、以下に紹介するのは、産業や貿易の変化を考えるうえで参考になる新聞記事です。このような変化は、単に家電業界の話にとどまらず、日本と世界の産業構造の変化や、貿易の仕組みの変化を考える上でも重要な事例です。
[朝日新聞 2025年9月7日朝刊]
「日本メーカーの存在感、家電市場で落ちている?」
ニーズとらえきれず中韓が台頭。傘下に入る企業も
Q : 家電市場で日本メーカーの存在感が落ちている?
A : 1990年代ごろまでは、日本勢は世界の家電業界をリードする存在だった。10社近い大手電機メーカーが競い合い、市場を席巻していた。だが、バブル崩壊に加え、2008年のリーマンショックで業績が急速に悪化。競争力の低下した家電事業を縮小・売却せざるをえなくなった。
Q : 昔はなぜ強かった?
A : 戦後の高度成長期には、人件費の低さや為替水準から日本は欧米に比べて割安に家電を製造できた。技術力の高さも評価され、電機産業は、自動車とともに輸出の両輪だった。財務省の統計によると、電気機器の貿易収支は1991年に8兆円の黒字を記録した。それが2023年には1兆円の赤字になった。
Q : 低迷の原因は?
A : 中国や韓国などの新興メーカーが台頭し、かつて欧米から日本に家電の主役が移ったように、今度は日本が追い抜かれる立場になった。海外でも高機能製品にこだわり、ニーズを捉えられなかったのも失敗した原因の一つ。今では生活家電の代表格である冷蔵庫も洗濯機も、中国のハイアールが世界販売の2~3割を占め、トップシェアだ。