どう変わる? 愛知県の公立高校入試
報道で周知の方もいらっしゃると思いますが、今年度より開催されている「愛知県公立高等学校入学者選抜の改善に関する検討会議」の第3回が11月6日(金)に実施され、公立高校入試の変更について発表されました。内容は以下の通りです。
1、一般選抜において2校に志願できることについては、現行どおりとする。
2、一般選抜における学力検査については、志願者が第1志望校と第2志望校のそれぞれで受験している現行の方式を改め、1回とする。各校において校内順位を決定する際には、その学力検査の成績を資料として使用する。出題教科は、現行どおり国語、社会、数学、理科、外国語(英語)とする。
3、一般選抜における面接の有無については、各高等学校の裁量とする。
4、一般選抜における校内順位の決定方式については、各高等学校・学科の特色をより生かすことができるようにする。
5、一般選抜の合格者発表日については、現行よりも早めるように努める。
6、推薦選抜については、一般選抜の日程の中で実施している現行の日程を改め、早い時期に実施する。推薦選抜の志願者には学力検査を課さないこととする。
7、中学校長の推薦を必要としない、高等学校・学科の特色を生かした「特色選抜」を新たに設ける。
8、普通科における学区については、現行どおり尾張・三河の2学区とする。また、群及びグループ分けについては、当面は現行どおりとし、新しい入学者選抜制度の実施後に、時宜を得て検討する。
9、外国人生徒及び中国帰国生徒等にかかる入学者選抜については、一般選抜の日程の中で実施している現行の日程を改め、早い時期に実施する。
10、海外帰国生徒にかかる入学者選抜については、現行どおり一般選抜の日程の中で実施するが、実施校の拡大を検討する。
11、新しい制度の詳細については、入学者選抜方法協議会議において慎重に検討する。
12、新しい制度の実施時期は令和5年度入学者選抜からとされているが、上記 4及び7については、上記協議会議における検討状況等を考慮し、柔軟に取り扱うことを可能とする。
※注 下線部は鈴木による。
本校で個人懇談を行った際に、対象となる中1生の保護者の皆様には、変更について話はさせて頂きましたが、この11月6日のまとめにより、概要が明らかになりました。
まず、大きな変更点は報道でも取り上げられた「学力検査の回数が1回」になること、「面接が各高等学校の裁量」による実施に変更されることです。入試回数については、当初複合選抜そのものの変更もあるのではないかと推測されていたこともありましたが、従来通りに公立高校の2校受験が可能ということに落ち着きました。さて、ここで注意をして頂きたいのが、7になります。現在実施されている「推薦選抜」に加え、新たに「特色選抜」が実施されることになります。これはどのようなものになるのかは、具体的に示されていませんが、既に東京都立を始め、主要都市のある都府県で実施されている、いわゆる「学校独自選抜」が行われる可能性があります。つまり、学力検査の問題(入試問題)を、その対象となっている高等学校での独自の学力検査(入試問題)を用いる可能性が出てきたのです。周知の保護者の方もいらっしゃると思いますが、このような特色選抜が既に実施されていて、その対象となっている高校は、その地方自治体における公立のトップ校が中心です。これはまだ推測になりますが、その「特色選抜」は公立難関高校で導入される可能性は高いのではと思われます。
また、「特色選抜」が入学定員の中でどれだけの割合とされるのかもまだ決定されていませんので、今後の発表に注意が必要です。そして、あと1点、注意が必要なのが12です。「『推薦選抜』と『特色選抜』は柔軟に取り扱うことを可能とする」と表記されています。これは場合によっては、現在の中1生が受験時に実施されない可能性もあれば、逆に現中2生が受験時に実施される可能性もある、ということです。「特色選抜」では「面接、プレゼンテーション、作文、学力検査(基礎学力検査を含む)、小論文、実技検査などを実施」となっていますが、先も触れたように学力検査(基礎学力も含む)という部分は、発展的な内容の学力検査も含まれると解釈できます。もし、これが現在の中2生から実施されるようなことになると、現在の中2生は受験校の選択に際して、より慎重にならざるを得なくなるでしょう。
現時点で発表された内容はまだ概要についてのみです。詳細が判明次第、保護者の皆様にはお伝えをさせて頂きますが、保護者の皆様も今後の動向を注視して頂きますようお願い致します。(本校 鈴木)