大学・短期大学等の修学支援新制度

中日新聞の紙面を参考にして、そのあと、私の考えを述べたいと思います。

〔大学・短期大学等の修学支援新制度〕

家庭の経済状況に関わらず、学びたい気持ちを持つ人の大学、短期大学等への進学推進を目的に新制度は開始されました。授業料・入学金の減免と、返還を要しない給付型奨学金の大幅拡充により高等教育無償化が図られます。

(新制度の対象者)

世帯収入の要件に合う学生が支援の対象となり、進学前の明確な進路意識と、強い学びの意欲を確認した上で支援が行われます。利用には高校3年生時に本人からの申請(4月下旬より申請開始、締切は志望校により異なります)が必要です。対象者の確認や支援金額、申込方法等の詳細は、日本学生支援機構(JASSO)のホームページをご確認ください。

(中日新聞 9月21日(日)朝刊)

先日、私の知り合いで、高校3年生の男子をもつお母さんから聞かされました。将来、看護の仕事がしたいということで、学芸大学の看護学部への入学を考えているとのことでした。4年間で650万円以上かかるそうです。看護の仕事は、従来、女性中心でしたが、最近では男性看護士の姿が結構見られるようになりました。看護学部は理系です。理系の学部での年間授業料は、160万円以上が一般的です。この額は家庭に大きな負担となることでしょう。

私が高校生であったころ、国公立の大学の年間授業料は、信じられない位の低額でした。現役で入学できるのは、中学時代、50人のクラスならたいてい2~3人でした。私はそのうちの一人ですが、特別な学力をもっていたわけではありません。今から思うと、それは単に、確実に目標をもっていたことがよかったのだと思います。中学時代、私より成績が良かった者は何人もいます。しかし、そのほとんどが、お金が国公立大学の7倍以上もかかる私学に進学しました。私は自分の学力が特に優秀ではないという自覚があったことがよかったと思います。昔も今も、中学時代に成績が良かったのに、高校ではずい分学力を落としてしまっている残念な人が何人かいます。現在の大学の一般入試は、毎年難しくなって来ています。推薦である程度の入学者を確保し、一般入試では、成績優秀者を獲得するため学費免除等の特典を設ける大学は増加傾向です。

そこで提案です。学力をきちんと高い位置で維持できている人には、国公立大学への進学を勧めます。国公立大学の入試で合格できるほどの学力はないと思っている人は、合格の可能性が高くない総合型選抜(旧AO入試)ではなく、学校推薦型の指定校制推薦での入学を考えるのがいいでしょう。これを利用するには、高校1年生からの成績が大きな影響力をもちます。一つの目安として、クラス順位5番以内をいつもとれるようにしておくことです。指定校制推薦ほど確実に合格を決められるものはありませんが、これがとれるかどうかの判定時期は遅くとも1年の終わりです。

ところで、国公立の受験はむずかしいし、指定校推薦もむずかしい人達は、どのような心構えで高校生活を送ったらいいでしょう。3年生になるまでに、ネット等で自分の進むべき道を決め、オープンキャンパスを利用したりして、その大学が目指しているものをきちんと把握することです。そして自分がその大学に入学できたらどんな事をしたいか、また、社会に出たとき、どんな事をしたいかを強くイメージすることです。それにより面接官にいい印象をもってもらえば合格できます。要するに、自分自身のPRをどれだけできるかがポイントになります。

大学は、長い人生で自分が仕事につくための準備をしてくれるところです。22~65歳、この期間、どうやって生きていくかということを、どうかイメージして下さい。