変わりゆく公立高入試入学者選抜方式 No.1

( 令和4年度入試 2022年3月実施 )

〔1〕受検者をA、Bに分ける
  A・・・評定得点( 各5点×9科×2=90点 )
  学力検査合計得点( 各22点×5=110点 )の両方が基準人数内にある者
  B・・・上記Aに属さないすべての受検者

〔2〕一般選抜における校内順位の選抜は、A、Bの順で行う。

〔3〕Bにおける順位の決定は、次のⅠ~Ⅲのいずれかの方式により行う。
 Ⅰ( 評定得点 )+( 学力検査合計得点 )
  90点 + 110点 = 200点満点
 Ⅱ( 評定得点 )×1.5 +( 学力検査得点 )
  135点 + 110点 = 245点満点
 Ⅲ( 評定得点 )+( 学力検査合計得点 )×1.5
  90点 + 165点 = 255点満点

〔 方式Ⅰ 〕旭丘(美)、愛知総合工科、愛知商、名古屋工科、西陵、名古屋工業、市工芸、桜台(ファ)
〔 方式Ⅱ 〕緑丘、南陽、中川商、春日井商、日進、若宮商
〔 方式Ⅲ 〕旭丘、明和、千種(全)、菊里(全)、瑞陵(全)、西春、旭野、桜台(普)、名古屋西、名古屋南、松蔭、北、中村、天白
〔 方式Ⅰ 〕旭丘(美)と多くの専門学科校
〔 方式Ⅱ 〕一部の普通科と専門学科校
〔 方式Ⅲ 〕 ほとんどすべての普通科及び菊里(音)、瑞陵(食)

さて、令和5年度入試からは合格者の選抜方式が更に2つふえます。Ⅰ・Ⅱ・Ⅲに2つの方式が加えられます。こういった改革が行われるのは、次の点からではないでしょうか。

学校の成績評定(通知表)はどのようにしてつけられているのでしょうか。定期テストで良い点をとるかどうかでしょうか。それもありますが、教科に対して「主体的に学習に取り組む態度」も大事です。これは通知表の観点(所見)の一つです。ここにCがついてしまうと、どんなにテストでいい点をとっても、評価は高いものにはなりません。多くの学習塾は、大量に過去問を蓄えていることを売り物にしています。普段の学習態度がよくないのに、テストの成績だけがいい人には、学校はいい評価を出しません。
また、定期テストの成績は、記憶力の高い生徒なら「一夜漬け」でも高得点が出せます。しかし、その得点は本当に身についた学力を評価していると言えるのでしょうか。

難関公立高校では、その指導力が絶えず評価されます。どれだけの高校生を難関大学に合格させることができたかというのは大きな問題です。通知表の評価得点が必ずしもその人の学力を適確に評価していないというのなら、学力検査の合計得点の高い生徒をとりたくなるでしょう。今の中学2年からは、更に本当の学力のある生徒が有利となります。

「ゆとり教育」が叫ばれた頃、指導する内容が少なくなったこともあり、日本の多くの学習塾が、週2日の指導を進めてきました。学力をつけることよりも、定期テスト対策を重要視し、塾に行けば学校の成績が上がるという間違った考えを広めてきました。こうして、名古屋は難関高校に入学できてもその先をダメにしてしまうということが広まりつつあります。入試制度の改革は、じっくり実力をつけた中学生を集めたいという、公立高校の切実な願いによるものだと言えましょう。

次回は、令和5年度入試から始まる新しい選抜方式をご説明いたします。