形式だけでなく大きく変化した公立高校入試

 敬倫塾が指導を始めたのは、今から47年前の1976年です。この頃の入試の問題と現在のそれとは大きく変わっています。本年度より全教科にわたってマークシート方式の出題となりました。ただ数学だけは、大問3で問題を解き、その数値をマークするというものになりました。英語・国語・理科・社会では、断片的な知識を問うようなものはほとんど出題されなくなってしまいました。公立中学の定期テストは、基礎的な知識を主とする中学もあれば、資料や文献を題材として出題する中学もあります。その結果、前者のような中学の生徒は公立高校の入試で苦戦し、後者のような中学の生徒は入試で高得点を得ます。
 敬倫塾では、大曽根・若葉・八王子・北陵・志賀・桜丘・冨士等の公立中学生を指導していますが、この中で一番入試に対応している中学は冨士だと思います。この中学の生徒はⅤ型入試(内申 90×2+入試110×2)でおおいに活躍することでしょう。

〔大きく変容した文系科目〕
(1)英語
定期テストでは、単語の発音、アクセントを出題する中学がありますが、これらは入試では皆無です。また、点数のとりにくかった条件作文はマークシート方式になったため、出題されなくなりました。リスニングの問題は、年々難しいものになっています。筆記問題では会話の流れをきちんと把握する能力や、図や表を見て答える形式のものが扱われます。学校のテストでは、授業中に使われた教科書に基づくものが出題されますが、入試では、初めて見る内容のものをどれだけ正確に理解できたかがポイントです。定期テストの問題でいい点数がとれても、入試で苦戦する生徒も多いでしょう。定期テストは日頃の学習態度を測るもので、模試や入試では総合的な分析力等を測るものだと考えるとよいでしょう。
(2)社会
今回のテストでは、最も点数のとりにくかった科目です。社会なんて暗記すればよい教科なんて言えるのは遠い昔のことです。特に今回では、膨大な資料を基に、それを読み解く能力が必要とされました。
共通テストもそうですが、自分達が調査した資料から何をつかみとるかが試されます。社会の教科書に書いてあることを覚えることが前提ですが、用語そのものを問う問題ではありません。現在の入試の傾向は、教科間の枠を超えたものとなり、社会の問題であるのに、数学的な考え方や国語にも通じる読解力が必要とされます。この教科も学校の定期テストと全く異なる出題方式をとっています。これに対抗するためには、長期の休みや、3年生に行なわれる講習で力をつけねばなりません。
(3)国語
漢字の読み書きとか言葉の意味を問う問題の量はどんどん減り続けています。この教科も、枝葉のような知識よりも、その言葉のもつ意味を正確に捉え、適切に使うことができるかが問われます。入試で題材とされる文章はどれもこれも今まで教科書で見たことのないものです。また、現代文はかなりの文量で、正確な読解力のない人にとっては苦しいものです。高校から本格的に学習することになる古文・漢文は、高校入試の段階では、それほど単語や文法事項の知識がなくても、文脈判断である程度対応が可能です。

 敬倫塾は今年の3月から、クラス指導生は週3日となりましたが、英語・数学はいずれも120分指導です。今回の入試では数学が比較的点数のとり易い科目でした。しかし、第2問と第3問は学校の定期テストに比べ難しいと言えます。これからの高校入試で優位に立つ為には、長期休みや3年生の秋からの講習で力を蓄えることが更に大切になります。こういった講習は本校で行われます。本校では大型のスクリーンを使い、各種の資料を見ながら授業ができるようになります。Ⅴ型入試で活躍できる人が更に多くなると思います。