共通テストの正答率から「見える」こと

 旺文社教育情報センターより、今年度の共通テストの小問別正答率が発表されました。数値に関しての詳細は、旺文社教育情報センターのホームページでご確認下さい。今年度の共通テストは昨年度と比較して、平均点の上ではあまり変化が見られませんでしたが、小問別の正答率から今年度の共通テストの特徴が見えてきます。
 本校では、1月28日に新高1生から新高3生までを対象とした保護者会を実施しましたが、その際に「共通テストのリーディングの平均点が受験者のボリュームゾーンになっていないのではないか。」というお話をさせていただきました。
 実際に資料を確認してみると、今年のリーディングの平均点は51.54点で、平均正答率が0.5304(約53%)となりましたが、大問5と大問6でそれを大きく下回る正答率になっています。特に、完答型となっている一部の小問については、その傾向がより顕著に表れています。この状況を踏まえると、今年度のリーディングの問題は、平均点を大幅に超える高得点となった受験者と、それとは逆に平均点には遠く及ばない低得点となった受験者とで二極化していることが読み取れます。
 語数がより多くなった長文の問題に関しても、高得点者には影響が無かったのに対して、類題や過去問演習などで70点前後であった受験者にとっては、対処が難しい問題になっていたのではないかということも推測できます。
 ここからは個人的な感想となりますが、共通テストにおけるリーディング問題では「設問を先読みする」等のテクニックがあまり通用しません。80分という限られた時間の中で、あの分量の英文と図表から素早く的確に情報収集ができるかどうかが重要です。短時間で、内容を的確に把握することが求められる共通テストに対応するためには、語彙の習得が必要です。高校生の皆さんはそのことをしっかりと認識して、7月の夏季休業期間になるまでにある程度の語彙を習得しましょう。それができていないと、大変なことになることを忘れないでください。