私はある大学の法学部を受験した。倍率は２５倍という高いもので、３００点満点で２３０点がボーダーとされていた。受験科目は、英語・国語が必修で、残りは社会または数学だった。２３０点以上をとるために私は、英語・国語・数学の３科目を選択した。数学は１００点、英語は８０点、国語は５０～６０点とれると予想した通りで、合格を手にした。
　大学受験後も私の読解力は低いままであったと思うが、その後、京大等を目指す人達の国語力をアップするためにどうしたらよいかと考え続けていたが、ある時、「例の方法」という参考書に巡り合い、それ以来読解力が急激に向上した。久しぶりに、朝日新聞に掲載された問題に挑戦してみたが、２問とも正解できた。皆さんも挑戦してみて下さい。

（２０２３年５月２９日　朝日新聞　朝刊）
読み解く力【 米大統領選報道めぐる訴訟 】
　２０２０年の米大統領選をめぐり、「不正に集計結果が操作された」などとする虚偽の報道で名誉を毀損(きそん)されたとして、投票機器メーカーが米FOXニュースに損害賠償を求めた訴訟で、４月１８日、FOXが７億８７５０万ドル(約１千億円)を支払うことで和解した。
　トランプ前大統領らによる根拠のない主張を報道によって拡散させた大手メディアの責任が問われ、注目を集めた訴訟だった。トランプ氏のような人気が根強い政治家と結びつき、自らも党派性を強めることで利益を得てきたメディアのあり方にも一石を投じた。FOXは報道に虚偽があったと認め、名誉毀損では過去最大級とされる巨額の支払いに応じた。
　大統領選では、敗北を認めないトランプ氏の陣営が「集計結果が不正に操作された」と主張。それが虚偽だと知りながら報道したとして、「ドミニオン・ボーティング・システム」社がFOXに対し、１６億ドル(約２１００億円)の損害賠償を求めて提訴していた。

≪１≫記事の内容として正しいものは、どれですか。
　①２０２０年の米大統領選で不正があったと裁判所が認めた
　②米FOXニュースは報道に虚偽があったと認めた
　③トランプ氏は名誉毀損で巨額の賠償金を支払うことになった
　④米FOXニュースが投票機器メーカーを訴えていた

　裁判所は、トランプ氏側の主張が真実でないことは「極めて明確だ」と認定。FOX側が虚偽だと認識しながら報じていたかが焦点だった。名誉毀損訴訟でメディア側のこうした認識を立証するのは難しいとされる。だが今回の訴訟では、FOXの内部資料が大量に開示され、FOXにとって厳しい展開となっていた。
　この日は陪審員が選ばれ、審理の開始が見込まれていたが、急展開で和解が成立。審理が本格化すれば、「メディア王」と呼ばれるFOXのルパート・マードック会長や著名キャスターらが出廷を求められるため、FOXが和解を選んだとの見方も出ている。
　ドミニオンが提出した書面では、FOXが虚偽だと認識していたことを示唆する社内の具体的なやりとりが明かされた。例えば著名キャスターのタッカー・カールソン氏は、FOXに出演して選挙不正を主張した弁護士について「ウソをついている。正気とは思えない」と指摘。マードック氏らFOX経営陣も、トランプ氏の主張が正しくないと認識していたと書面には記されている。

≪2≫記事の内容として正しいものは、どれですか。
　①審理が本格化する前に、FOXが和解を選び、裁判は終了した
　②「メディア王」のマードック会長が出廷し、トランプ氏の主張が正しいと主張した
　③カールソン氏は、選挙に不正があったというトランプ氏の主張が正しいと信じていた
　④裁判では、大統領選挙で不正が行われたかどうかが争点となった

　２問とも正解にたどりつけましたか。くり返し使用されている言葉に注目して下さい。その言葉がほんの少しちがう言葉を用いて語られていませんか。逆接の接続語の後の文章に着目しましたか。これらの作業により、正解は浮きでてきます。敬倫塾では、このような方法で読解力のアップを図っています。
〔 正解は　≪１≫¬ ＝ ②　 　≪2≫ ＝ ①　〕