大学卒業後に就職を考える皆さんへ

( 朝日新聞 令和5年8月31日 朝刊より )

 私立大の半数超が今春、入学者数が定員より少ない「定員割れ」だったことがわかった。30日、日本私立学校振興・共済事業団が発表した。5割を超えるのは初。定員割れの大学は320校で、前年度から37校増えた。

 600校から回答を得た。私立大全体に占める定員割れの大学は、小規模大を中心に53.3%。入学者数が定員の8割未満だった大学は155校(25.8%)だった。

 今春の私立大の入学者数は50万599人で、前年度から1595人減った。入学定員は前年度比4696人増の50万2635人。私立大全体の入学定員に対する今年度の入学者数の割合(定員充足率)は99.59%。100%を下回ったのは21年度に続いて2回目で、過去最低となった。

 定員割れの割合は1990年代後半、18歳人口が減少した影響もあり著しく上昇した。2017~20年度には、文部科学省が、入学者数が定員を一定程度超過した大学の補助金を減らすなど規制をかけ改善。しかし少子化や家計悪化による受験校数の絞り込みなどの影響で、再び上昇している。

 私立大の収入の約8割は授業料など学生納付金が占め、定員割れは経営に大きな影響を与える。

 せっかく入学した大学がもし閉鎖になってしまったら大変です。その心配があるかないかを判断できるものが「定員充足率」です。これが70%未満の大学の経営は極めて危険なラインにあると言えます。しかし、これをネットで確認しようとしても、最新のものは見つからないかも知れません。そこで、大学入試偏差値を利用することをお勧めします。BF(ボーダー・フリー)の大学は避けるのが賢明です。

 大学に進学した多くの人は、就職を考えます。たとえ大学の入学偏差値が低くても、学生の素質を磨き、活躍できる就職先を積極的に考えてくれる大学、そんな大学に入学するのはとてもよいことです。そこで、「大学通信」の出している最新の資料を皆さんに紹介致します。

(2022年 実就職率ランキング)  実就職率

 1位 金沢工業学 (石川)     97.7%

 2位 愛知工業大 (愛知)     97.5%

 5位 名城大   (愛知)     95.5%

 8位 名古屋工業大(愛知)     94.4%

 9位 中部大   (愛知)     94.4%

15位 日本福祉大 (愛知)     93.3%

17位 三重大   (三重)     93.0%

18位 岐阜大   (岐阜)     93.0%

30位 静岡大   (静岡)     92.0%

47位 椙山女学園大(愛知)     90.9%

 金沢工業大は、以前はそれほどではなかったと思いますが、現在1位であるのは驚きです。この大学の偏差値は高くないのですが、入学後の面倒見がいいのでしょう。このランキングは全国レベルで行われていますが、愛知の大学が上位にかなり入っていることがわかります。

(小規模だが評価できる大学〔北陸・東海〕)

                 ポイント

 1. 金沢工業大  (石川)    78

 2. 富山県立大  (富山)    19

 3. 静岡県立大  (静岡)    12

 5. 金沢大    (石川)     6

 5. 名古屋工業大 (愛知)     6

 7. 福井大    (福井)     5

 7. 福井県立大  (福井)     5

 7. 高岡法科大  (富山)     5

 7. 金沢学院大  (石川)     5

 7. 仁愛大    (福井)     5

 7. 岐阜女子大  (岐阜)     5

 7. 愛知大    (愛知)     5

 7. 人間環境大  (愛知)     5

 7. 皇學館大   (三重)     5

16. 岐阜聖徳学園大(岐阜)     4

17. 南山大    (愛知)     3

18. 名古屋外国語大(愛知)     2

※表の見方

全国の約2000進学校を対象に行ったアンケート(624校から回答)にて、「小規模だが評価できる大学」を5位まで選んでもらい、1位を5ポイント、2位を4ポイント…・・として集計。

 金沢工業大の評価ポイント78は2位以下を大きく引き離しています。また、静岡、石川、福井の県立大も頑張っています。