総合型選抜で大学合格を考える皆さんへ
前号に続き「変わりつつある大学入試」をテーマに、旧AO入試である「総合型選抜」についてまとめます。
大学入試を、総合型選抜や学校推薦型選抜でチャレンジしたいと思ったら、どんな準備をすればいいのでしょう。
朝日新聞(2020年7月26日号)の記事のポイントは次の4つです。
①自分を知る
②社会を知る
③「見せ方」を考える
④一般選抜向けの勉強も
①自分を知る
ほとんどの大学では「志望理由書」が必須です。その際、大学で何を学びたいのか、何故その大学でなければならないのか、どういう職業に就きたいのかといった「未来」と、その学問分野に興味をもった「過去」とを具体的なエピソードとともにつなげて記す必要がある。常に自問自答し、他人に説明して「突っこみ」を受け、自己理解を深める。
②社会を知る
自分が何を学び、どういった世の中を作りたいのかを知るためにも、社会課題や時事問題を知っておく必要がある。そのためには、新聞や雑誌、本を読んだり、様々な分野で活躍している人達の話を聞く機会をたくさんもつ。
少子高齢化や男女格差等、小論文のテーマになることが多いものには常に関心をもつように心がける。
③「見せ方」を考える
自分が得た知識や経験を、聞き手に、正確な文章や言葉でわかり易く説明できるようにする。
④一般選抜向けの勉強も
共通テストの受験を課す大学は少なくない。出願資格に高校時代の一定の評定を求める大学も多い。小論文やレポートでは、誤字脱字のミスが多ければ減点されると思ってよい。
「総合型選抜」の概要
一言で表すとすると、「意欲を測る入試」。一般選抜は学力を、スポーツ推薦はスポーツ技能を尺度とするが、総合型選抜は、多くの大学で「学問に対する意欲」を評価の基準としている。
①1次選考
高校での成績や志望理由書で書類選考をする。「志望理由書」とは、受験する大学を志願している理由を大学に告示するもの。その内容としては、受験する大学・学部について、なぜ自分がそこを受験したいのか、つまり「意欲」をアピールするものでなくてはならない。
②2次選考
書類選考を通ったら2次選考に移る。一般的には、面接試験と小論文試験の2つである。
( 面接試験 )
受験者1人に対して試験官複数が対応する個別面接や、複数人の受験者が同時に試験を受ける集団面接がある。後者は、受験者同士がグループとなって話し合いや発表を行う。「意欲」だけでなく、社会性や表現力、対応力等が評価される。
( 小論文試験 )
多くの小論文試験では、受験する学部や学科にちなんだ課題が出題される。その学問分野に関して、受験生の今までの経験や大学に入ってチャレンジしたいこと、また、新しい提案や考察をするよう求められることが多い。