丁寧に字を書くこと

昔から「読み・書き・そろばん」は大切にされてきました。こういった技能は、幼少期につけておくべきだと思いますが、現代では親御さん達が二人とも働いているケースがふえてきています。核家族化はどんどん進んでいて、おじちゃんやおばあちゃんに字を教えてもらったり、計算がきちんとできるようにしてもらえることはほとんどありません。

私は現在、小学生の国語指導をしていますが、乱雑な字を書く生徒によく出くわします。小学生は、低学年の頃は、漢字練習帳を使ってきちんと字を書く練習はしていないのでしょうか。国語の指導は、主に文章の読解力を高めるためのものですが、書かれている文字が余りにもひどく、読めない場合が多々あります。この原因は一体どこにあるのでしょうか。

敬倫塾は、小学校低学年から指導していますが、ほとんどの生徒が幼稚園等に行っていたと思います。ところが多くのそういった施設では、遊びを中心とした楽しいことはいっぱい指導していますが、きれいな読みやすい字を書くということは指導していないようです。小学校では一つのクラスで30人位の生徒がいますが、幼稚園等では一人の先生が担当する人数はもっと少ないと思います。

私が小学生だった頃は、各地で「競書会」というものがありました。そのため私は、小学1年生の頃から習字の塾に通いました。また、「字は人を表す」とも言われ、読みやすい字を書くことが要求されていました。しかし、現在では「競書会」のような地味なものはほとんど見受けられなくなりました。おまけに、近所に習字の塾を見つけることは難しいでしょう。「公文」の教室では指導をしていますが、書写のために利用しているケースは少ないと思います。

 根本的な解決策はないのでしょうか。私は3つのことを提案します。

  1. 保育園・幼稚園等で、もっと学ぶことの面白さを体験できるようにしていただく。子供たちは誰でも話すことはできます。それを字で書くとどのようになるかを指導する。マス目にきちんと調和のとれた字を書く練習をする。
  2. 小学校の低学年時に、担任の先生が、黒板できれいな字を書いて、生徒にも黒板で字を書く機会をふやす。毎日、少しずつ、きれいな字を書く宿題を出す。文章題に対する読解力は、それぞれの理解力に差があるため、身につけるスピードは人さまざまであるが、きれいな字を書くということは、誰でも頑張ればできることである。
  3. 小学校の低学年より、きれいな字を書けるような施設を利用する。

敬倫塾では、小学3年生までは、一人の教師の担当生徒数はたったの2人です。高学年でも最高4人ですから充分に目が行き届きます。

「きれいな字」は人に好感をもたれます。